50MHz QRP DSB/CW TRX

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1号機

 下の写真は1号機です。ファイナルは2SC2055。受信はダイオード4本のDBMを使っているダイレクトコンバージョンです。受信感度を上げるのに苦労しました。

 HFならば高周波増幅の後にDBMによるダイレクト検波,最後に386AMPで十分です。AFフィルターの損失分が気になる場合は2SC1815の1段も入れれば十分な感度があります。本来はAFでゲインを稼ぐらしいのですが, ケースが小さいためか,AFのゲインを上げると発振したり,不安定になったりします。高周波増幅を2段にしても同様です。クリスタルイヤホンならOKでした。スピーカーで聞くことができるようにしようとバラしてしまいました。


2号機

 下の実験基板上に組み立てたものが2号機です。ダイレクト検波に変換利得のあるNE612を使用して 受信感度の件が解決しました。10MHz2W CWトランシーバーにもいくつか使われているものです。FCZ研究所のHRO受信機の回路図を参考にしました。NE612は高価ですが,500MHzまで使え,しかも1 7dBほどの変換利得があります。サトー電気の通販で購入しました。高周波1段,NE612,AFフィルター,4580,386で決定です。VXOからの レベル調整はコンデンサー(NE612にぶら下がっている15pF)の値で調整します。 IC706MKUGで聞こえる局はすべて聞こえます。近くに強力な局がいる場合どうなるのかを早く経験したいところです。

 実験基板上では実用になるものが出来上がりました。FINALは2SC1971で1.5Wほど出ています。この状態で100局以上と交信できました。


3号機 ハンディ機に仕上ようとしましたが?

  ケースに入る大きさの基板の上に,ブロックごとにできるだけ詰めながら入れてみましたが,収まりません。残念。

  蛇の目の高周波基板を使ってハンディ機に仕上げるため,現在検討中です。2002/11/7


4号機 蛇の目の高周波基板の設計

 蛇の目基板を設計してみました。ケースの大きさは38×70×165mmです。基板は63×107mmで十分収まり,単四のニッケル水素8本が内蔵できます。 ところでダイレクトコンバージョンは受信のためのVXOの発信周波数と受信周波数が一致しています。しかも,送信時はダイオードDBMを使用するDSBのため,VXOの出力は 5mWは必要です。小さい箱の中で常時5mWを受信しながら外来の電波を検波できるのでしょうか。

蛇の目の高周波基板に組み始めましたが?

 RIT回路とVXO回路を組み立ててみました。これだけで2時間もかかりました。蛇の目基板を使っているときにいつも思うのです。

 部品面から見ているときは問題ないのですが,ひっくり返して半田面を見るとたんに,どこがどこだか分からなくなるのです。何度も何度もひっくり返しながら作業を進めるのが大変苦痛です。

 しかも,部品の交換が大変です。決してワイヤーを絡めたり,折り曲げたりしてはなりません。

 こんなことなら,プリント基板を作ったほうが良いうかもしれないと思い,作業を中断してしまいました。 プリント基板の致命的な欠点は手直しができないことです。まだまだ分からないことが多いので,今度は空中配線とFCZ基板の混合でハンディー機に仕上げようと思います。2003/09/21


4号機 ハンディ機 が完成?

完成しました。毎晩1時間ほどかまっているうちに出来上がりました。

受信感度がいまいちのような気がします。最近6mはほとんど聞こえません。とりあえず組み立てです。

単4ニッケル水素を8本直列に半田付けしました。安全のためヒューズを入れました。2液混合のエポキシで固めてから工作します。

 出力0.5w(内臓ニッケル水素単4×8本=9.6V)

  寸法38mm×70mm×165mm(ツマミ等の突起物を含まず)

 重量410g

  受信:ダイレクトコンバージョン

 送信:DSB・CW

完成かと思いましたが,問題が2つあります。

@受信感度が低い。

A送受信の切り替えに1個のリレーを使っているため,ホップアップノイズがすごい。ヘッドフォンでは耳が痛いほどです。送信に移る時のノイズはどうしても取れません。

 送信は問題なく,きれいな電波が出ていますが使い物になりません。VXOをシールドして,高周波増幅・NE612もシールドして,回り込み防止のための対策を施せばよいのでしょう。しかし,ホップアップノイズの除去は無理。

残念!2003/10/12


5号機 ハンディ機はあきらめてコンパクトなケースを自作することにしました。

1mm厚の400mm×300mmアルミ板から作りました。下図は設計図です。ケガキでけがいて万力を使って折り曲げます。

ケースが 出来上がりました。2003/10/18


ついに完成!

作成メモ

1. 4号機の感度が悪かったのはNE612の回路が間違っていたからでした。残念。

2・ 電源切り替え回路について

 

3. CWについて

 受信時に700Hzほどずらなければなりませんが,ここが曲者です。DSBの場合はRIT回路でVOXを受信時のみずらすことになります。チューンダイアルの中央で700Hz の変化に設定すると,下のほうでは300Hz,上のほうでは2Kzほど のずれになります。プリミックス方式にすれば良いのでしょうが,大げさなのでやめました。ただし,11.275MHzの周波数を使えば,水晶がMIZUHO通信のものが使えてとても便利です。水晶をいろいろ注文してしまったので今回は見送りです。

4. VXOについて

 VXOの変化範囲は50KHz程度にする予定です。欲張ると下のほうでQRHに悩まされます。50KHz程度ならこの回路ではほとんどQRHは起きません。水晶ににつながるLは,いろいろ試しましたが,チョークコイルが今のところベストです。1,1.5.3.9,6.8,8.2,10uHを準備しておいていくつか直列にして調節します。できれば1個がベストです。

 水晶1個では変化幅が取れないので,水晶をチョークコイルごと切り替えています。水晶によって同じLでは,変化幅が異なるからです。休んでいるほうの影響を受けないように,休んでいるほうはショートするようにしました。現在はサトー電気で購入した50.250(50.145MHz〜50.180MHz)と50.150(50.040MHz〜50.070MHz)の2つの水晶を使用しています。Lはそれぞれ8.2+1.5,8.2です。川崎電波研究所に50.320と50.270を作ってもらっているところでできれば,50.150から50.250ぐらいにしたいものです。

 

5. 送信部のファイナルについて

 電源電圧が低くても安定した出力が得られるように,2SC1971を使用しています。入力が低いので13.8Vでも1.2Wほどで,9V時でも1Wの出力を得ています。アイドリング電流は90mAほど流しています。電圧によって変化しますが,9Vから13.8Vまできれいに変調がかかっています。

6. 出力を監視できるようにインジケーターをつけました。振れ具合は1pFで調整するのですが,鈴メッキ線にワイヤーをよじって,よじり加減で調節しています。半固定VRの手持ちがないからです。受信時は電圧測定をさせようと思いますが,まだやっていません。

7. ブレークイン・キーヤー内蔵スピーカーマイク

 ブレークイン回路とキーヤーが必要です。以前製作したキーヤー内臓のスピーカーマイクに内蔵しているCW用のAFフィルターは,50MHzの場合は必要ないので新たに製作しました。

 サイズは75mm×50mm×30mmです。重さはコード・コネクター・電池を含めてちょうど100gです。電源には3Vのボタン電池を2個直列にし,ワイヤーを直接半田付けしています。安全のために自己融着テープで巻いてあります。パドルを差し込めるようにジャックをつけました。以前作ったミニパドルを接続して使用しますが,蓋の部分にミニパドルを作って一体化する予定です。

回路図

出力 500mW

寸法140mm×140mm×53mm(ツマミ等の突起物を含まず)

重量485g

受信ダイレクトコンバージョン

送信電波形式  A9(最近表示が変わってA3E)・CW

FINAL 2SC1970 出力1W(12V時)

運用周波数 Ach 50.145MHz〜50.180MHz 

                 Bch 50.040MHz〜50.070MHz

使用感

 今日は千葉コンテストでした。現状でCWに出ることができました。静かでした。50.070〜50.090に出ている局が多いのです。

常置場所ではロケーションが悪いので,近くの見とおしの良いところまで移動してみました。50.060付近にかすかに聞こえる局ががいたので呼んでみました。コンテストなので599です。ブレークイン・キーヤー内蔵スピーカーマイク も快調です。

 常置場所にもどり,DSBで八王子移動の局と交信できました。こちらもかすかに聞こえていたものです。お互いに51で交信成立。季節外れなので交信できたのはこの2局のみでした。

 このリグに3年ほど携わりました。回路が単純な分,非常に難しいという感想です。ケース作りを体験できたのが一番の収穫です。水晶が届いたら交換をして,来シーズンまでとりあえず 終了です。次は何を作るかを現在検討中。2003/11/09


手直し

その1 受信から送信に変わるときのホップノイズが強烈。

 AFアンプ386の入力に,10kで接続している2SC1815が効果的でした。2.2uFは送信から受信のときのものです。受信が終わらないと送信にならない遅延回路も試してみましたが無駄でした。 アイテックTRX-602を参考にしました。

その2 水晶発振子の交換

 川崎電波研究所に50.320MHzを作ってもらいました。8.2uHで50.180〜50.240の変化範囲になりました。低い周波数にシフトしてるのはRIT回路のせいです。

  運用周波数は以下のようになりました。

  Ach 50.145MHz〜50.180MHz 

   Bch 50. 180MHz〜50.240MHz

その3 ブレークイン・キーヤー内蔵スピーカーマイク

 電源にボタン電池を使用しているせいか,PK-3が勝手にリセットしてしまいます。電源に100uFを入れて解決しました。詳しくはこちらをご覧ください。

使用レポート

 栃木県矢板市 高原山の八方ヶ原に行ってきました。アンテナはロータリーダイポールポールは5.4mの玉網です。フィーダーは7m長の1.5D2V。

とにかく寒くて寒くて辛かったの一言です。防寒の準備をきちんとして行かなかったのが失敗でした。手はかじかみ,声は振るえ,20分間で以下の交信をしました。

コールサインとレポートを書き留めるのが精一杯でした。

 受信音にひずみやノイズが少なくとても良い感じです。各局とも変調には問題ないとのレポートをいただきました。各局ありがとうございました。 

JI3KHN/7

JP1LMU/1

JQ1BXQ/1

JE3PUG/1(CW)

7K3EUT/1

JA1SFL/1

2003/11/29

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