今回は軽量で高性能で手間のかからないものを作ってみました。使用する前の作業はエレメントを広げるだけ、撤収はエレメントを畳むだけです。
リグはC620です。本体は260gで軽量ですが単三6本のバッテリーパックが205gあり、重量を感じます。単三4本のバッテリーパックを手に入れたので、その中に単四のニッケル水素850mAを6本入れました。2.5Wの出力で2時間は十分使用できます。重さはちょうど100gになり、105gの軽量化が図れました。
1.アンテナの設計 以下を目標にしました。
@ 重さは50g以下
A 長さは25リットルほどのザックに入るように35cm以下
B 3エレ八木
C バランを入れる(シュペルトップバラン)
D アンテナのインピーダンスを50Ωで設計せず、ゲインとF/B比が最大になるように設計する。
E マッチングはヘアピンマッチ
2.アンテナのデータ MMPCで計算しました。
間隔 | 長さ | |
Ref. | 90mm | 310mm |
Rad. | 0 | 326mm |
D1 | 160mm | 341mm |
線径は1mm計算あいた結果、gain:6.85dB F/B:15.7dB SWR:1.0 となりました。
3.アンテナの製作 いろいろ苦労しました。
1.6mm厚の両面基板をいつも使用しています。
コネクターの半田付けです。ステンレスフラックスを使うと大変簡単に半田付けができます。
給電部は絶縁します。カッターで切り込みを入れるだけで十分です。
エレメントを作ります。真鍮線0.9mm径を使用しています。エレメントの先が尖っているので危ない。ガラスビーズをあとで取り付ける予定で初めは作成しました。ところがこれが大失敗の元。SWRが大幅に狂うのです。一からやり直しです。先端を丸めることにしました。ラジエターには ヘアピン用のひげを付けておきます。せまい基板にエレメントとヘアピン用のワイヤーと、同軸の3本をピタッと半田付けするのが難しいからです。もたもたしていると基板の銅箔が剥がれてしまうのです。
ヘアピンは18mmぐらいです。シュペルトップバランを作るには耐熱の同軸ケーブルを使うのが安心です。私はフジクラの1.5D2V-QEVを使っています。
調整は簡単です。周波数の調整はラジエターの長さで調整します。SWRは ヘアピンの長さで調節します。電界強度計を使って、確かにゲインがあるか確認します。
ヘアピンは自己誘着テープで絶縁して、ついでに給電部とコネクター部も保護しました。重さは40g、長さは34cmとなりました。430.00〜434.50までSWRは1.5以下になりました。エレメントの径が細いので全帯域1.5は無理でしたが、私には十分な帯域です。
4.アンテナ比較
手元に残っているアンテナを比較してみました。測定方法は,いいかげんなもので,DPを2mほど先において,簡単な電界強度計でそれぞれの電圧を測定します。それをdBに換算しました。PCで計算した通りの結果に満足です。
ホイップ | DP | 2エレプリンテナ | 2エレ位相給電 | 2エレ ループ | 3エレ八木 | 3エレ ループ | |
mV | 10 | 45 | 70 | 75 | 85 | 100 | 105 |
ratio | 0.222 | 1.000 | 1.556 | 1.667 | 1.889 | 2.222 | 2.333 |
gain | -13dB | 0dB | 3.8dB | 4.4dB | 5.5dB | 6.9dB | 7.4dB |
SWR | 2.8 | 1.6 | 1.1 | 1.2 | 1.4 | 1.0 | 1.1 |
5.運用レポート
近々レポートします。