携帯3エレ八木アンテナ430MHz 重さ40g、長さ34cm

 位相給電携帯2エレは小型で軽量で大変便利なのですが,もう少しゲインがほしいときがあります。そこで,2エレメントを継ぎ足すものを作ったり,新たに6エレ八木を作ったりしました。しかし,ザックの中に綺麗に納まりません。前回作成した携帯3エレ ループアンテナ430MHzは大変便利で性能も申し分ないものですが、畳むのに手間がかかるのが欠点です。

 今回は軽量で高性能で手間のかからないものを作ってみました。使用する前の作業はエレメントを広げるだけ、撤収はエレメントを畳むだけです。

 リグはC620です。本体は260gで軽量ですが単三6本のバッテリーパックが205gあり、重量を感じます。単三4本のバッテリーパックを手に入れたので、その中に単四のニッケル水素850mAを6本入れました。2.5Wの出力で2時間は十分使用できます。重さはちょうど100gになり、105gの軽量化が図れました。

 

1.アンテナの設計 以下を目標にしました。

 @ 重さは50g以下

 A 長さは25リットルほどのザックに入るように35cm以下

 B 3エレ八木

 C バランを入れる(シュペルトップバラン)

 D アンテナのインピーダンスを50Ωで設計せず、ゲインとF/B比が最大になるように設計する。

 E マッチングはヘアピンマッチ

 

2.アンテナのデータ MMPCで計算しました。

  間隔 長さ
Ref. 90mm 310mm
Rad. 0 326mm
D1 160mm 341mm

 

 

 

 

 

線径は1mm計算あいた結果、gain:6.85dB  F/B:15.7dB  SWR:1.0 となりました。

 

3.アンテナの製作 いろいろ苦労しました。

1.6mm厚の両面基板をいつも使用しています。

コネクターの半田付けです。ステンレスフラックスを使うと大変簡単に半田付けができます。

給電部は絶縁します。カッターで切り込みを入れるだけで十分です。

エレメントを作ります。真鍮線0.9mm径を使用しています。エレメントの先が尖っているので危ない。ガラスビーズをあとで取り付ける予定で初めは作成しました。ところがこれが大失敗の元。SWRが大幅に狂うのです。一からやり直しです。先端を丸めることにしました。ラジエターには ヘアピン用のひげを付けておきます。せまい基板にエレメントとヘアピン用のワイヤーと、同軸の3本をピタッと半田付けするのが難しいからです。もたもたしていると基板の銅箔が剥がれてしまうのです。

ヘアピンは18mmぐらいです。シュペルトップバランを作るには耐熱の同軸ケーブルを使うのが安心です。私はフジクラの1.5D2V-QEVを使っています。

調整は簡単です。周波数の調整はラジエターの長さで調整します。SWRは ヘアピンの長さで調節します。電界強度計を使って、確かにゲインがあるか確認します。

ヘアピンは自己誘着テープで絶縁して、ついでに給電部とコネクター部も保護しました。重さは40g、長さは34cmとなりました。430.00〜434.50までSWRは1.5以下になりました。エレメントの径が細いので全帯域1.5は無理でしたが、私には十分な帯域です。

 

4.アンテナ比較

 手元に残っているアンテナを比較してみました。測定方法は,いいかげんなもので,DPを2mほど先において,簡単な電界強度計でそれぞれの電圧を測定します。それをdBに換算しました。PCで計算した通りの結果に満足です。

  ホイップ DP 2エレプリンテナ 2エレ位相給電 2エレ ループ 3エレ八木 3エレ ループ
mV 10 45 70 75 85 100 105
ratio 0.222 1.000 1.556 1.667 1.889 2.222 2.333
gain -13dB 0dB 3.8dB 4.4dB 5.5dB 6.9dB 7.4dB
SWR 2.8 1.6 1.1 1.2 1.4 1.0 1.1

 

5.運用レポート

 近々レポートします。

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