21MHz 5W SSB/CW トランシーバー

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仕様

  シングルスーパー IF12MHz6Xtalラダーフィルター
  Ach 21.150〜21.230MHz
  Bch 21.120〜21.145MHz

  ファイナル2SC1971 12V時5W出力 内蔵電池時4W出力

  1.2Vニッケル水素8本内蔵

  外部DC 9V〜13.8V

  サイズ 120mm×70mm×180mm 重さ890g(電池含む)


回路図

  ジェネレーター部 

  トランスバーター部


VXOについて

 VXOの出力に周波数カウンターと簡易RFブローブを接続していろいろと調べてみました。

 発振強度

  9Vの電圧で実験しているときは問題ありませんでしたが,5Vにすると発振強度が極端に弱くなりました。6.2Vに電圧を上げても変化がありませんでした。9Vのときは5Wの出力がとれますが,5Vでは出力がほとんどありません。2SC1815を2SC1906に交換し,BUFFERのエミッター抵抗を39Ωにしてみたら,5Vでも5W出るようになりました。エミッター抵抗によってVXOの出力電圧がかなり変化します。いただいた送信音のレポートを平均すると大変良好な変調がかかっているということなので問題ないようです。

 発振周波数

 池田電子の16.615MHz(1個100円)の水晶発振子,8.2uHのマイクロインダクター(1個30円),それとサトー電気で購入した20pF×2のポリバリコン(1個350円)の組み合わせで,21.148MHzから21.2 33MHzの約80KHzの可変範囲がとれました。QRHについてはかなり優秀で,10分で10Hz以内,30分でも20Hz以内ですので ,QSOには問題ありません。

 21.130MHz付近のCWに出られるようにするために,川崎電波で16.58MHzの水晶発信子を作ってもらいました。同じ8.2uHの組み合わせで30KHz位しか変化しませんでしたが,これがまたちょうど良いものになりました。変化幅が少ないのでかなり周波数変動が少なく安定です。

「川崎電波研究所」

 〒216-0033 川崎市宮前区宮崎607

 044-877-0901


ホップノイズについて

 受信状態に入るときのホップノイズ

 有名な話ですが,386の2番ピンに接続されている2.2uFが有効です。送信時にT+を加えて386の動作を止めるもので すが,受信に切り変わってもコンデンサーのおかげで386の動作開始が遅れる仕組みです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 送信状態に入るときのホップノイズ

 VRをしぼった状態ではほとんど出ませんが,VRを最大にするとかなり大きな音が します。 上で行った対策をはずしても変化ありません。試しにピコ(MX-21S)のホップノイズを聞いてみたら同様なホップノイズが出ていたので,とりあえずこれでよしと しました。CWをやっているとき,このホップノイズはとても気になるものです。いずれ解決しなくてはと思っています。


クリスタルフィルターについて

 千石で手に入れた10個で250円の12MHzの水晶発振子を6個使ったラダーフィルターです。ピコで使われているフィルターと比べてその性能は見劣りしません。実測したデーターは以下の通りです。

中心周波数 11.996.7MHz

11.99MHz 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77
表示電圧(mV) 1 5 5 10 35 65 55 50 55 80 80 70 75 75 85 75 65 60 35 5 1


ANTスイッチ

 MI301などをつかうのですが,手持ちがなかったので整流用ダイオードを使ってみました。特に問題なく運用できました。オークションでMI301を手に入れたので交換しましたが,いざという時は使えそうです。


構造

 FCZ基板にブロックごとに組み立て・調整をしていきました。ジェネレーター部を1枚の基板上に,トランスバーター部やその他の回路をもう1枚の基板上に組み立て まいた。ケースに入りきらないので,2枚の基板を背中あわせに張り合わせる構造にしました。 あまり大きいとリュックに入れる気がしなくなります。受信部を底面にしました。調整できるように,コイルやトリマコンデンサーのところには穴を開けてました。どの穴がどのコイルのものかをメモするのを忘れてひどいめにあいました。この構造は感心しません。


内蔵電池 

 電池も内蔵しました。2,3時間は出力の低下もなく運用できます。1600mAのニッケル水素乾電池を8本直列に半田付けしました。80W位の半田鏝ですばやく半田付けすれば問題ありません。ショートしないようにビニールテープで縛り上げます。ガスの出口を作るために密閉しないようにします。ショートすると火事になります。以前作った50MHzCW/SSBトランシーバーは電池がショートして目の前で燃え出してしまいました。目の前だからよかったものの,思い出すだけでもぞっとします。

 13・8Vで150mAほど流れるように充電回路もつけました。定電圧電源からなら,丸1日ほど充電しつづけても問題ありません。そのころには10〜20mAほどになっています。


実際の運用では

 送信は問題ありません。皆さんに良いレポートをいただいています。5WのDP(5mH)で国内はもちろん,海外との運用もコンディションさえよければとくに不足は感じません。 釣竿アンテナでSSB/CWともにアフリカ大陸以外は交信できています。

 本機の不満の第1は受信音です。検波したすぐ後をクリスタルイヤホンで聞くととてもよい音がしますが,SPからの音は感心しません。AGC回路をいじったり,386を交換したししましたがイマイチデス。

 第2の不満は大きさです。もう一回り小さいと使いやすくなります。そのうち,蛇の目基板かプリント基板で作ってみたいと思います。

DE JH1USG 2002 11月17日

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